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蒼天航路の話 [ペトログ・ストーキン]

 漫画の話だにょっ!

 『週刊ビッグマン』 の愛称でおなじみの、『週刊モーニング』 連載中、去年年内完結の予告が出てはや10ヶ月ほどの、『蒼天航路』 という漫画がありまして、僕はこの漫画が大好きであります。

蒼天航路 (34)

蒼天航路 (34)

  • 作者: 李 学仁, 王欣太
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/07/22
  • メディア: コミック


 三国志漫画なんですけど、基本的には演義ベースでもなく正史を元に読み解いたモノ。
 演義ベース、というと、基本的には中国で講談などの逸話を織り交ぜて一つの物語となっている、『三国志演義』 を元にしていることを指し、この演義では基本的に三国志の三国のウチ蜀を打ち立てる劉備が主人公。
 漢王朝の血を引く人徳者、劉玄徳は、桃園の契りで関羽、張飛らと義兄弟となり、後に天才軍師孔明を三顧の礼で迎え、流浪の末に奸雄曹操と対決する─── というよーなナガレ。らしいです。
 演義とか読んでないので詳細は知りません。
 で、この 『蒼天航路』 では、演義では敵役と位置づけられる奸雄曹操の、その奸雄の中身とはどんなものであろうか、というところを起点として描かれている。そうです。
 正史 (所謂歴史書での三国時代の記述) も読んだこと無いので詳細は知りません!

 まぁそんな話は置いといて。 (置くのっ!?)

 三国志、の、三国、というのは、魏、吾、蜀の三国で、それぞれ、曹操、孫権、劉備、が、まぁ、オーサマ若しくは OH! Summer なのですが、それぞれのキャラクター立てが、なかなか面白い。

 まず、孫権と劉備の対比。
 孫権の王としての資質は、赤壁の戦い (というのがあるのです) の頃から明確に描かれ始めるのですが、
 「“要は” って言うな」
 というもの。
 「劉備と組むか、曹操と組むか」 「奸雄か能臣か」「戦か和平か」「道理か無謀か」
 「“ふたつにひとつ” とか。
 なんでも無理矢理わかりやすいものにするでない」

 蒼天航路随一にして唯一の変態軍師である孔明の人物評によれば、孫権は、多くのこと、多くの人の気持ちを感じ取れるが故に、己の心情をそのままの形で表に現せぬ、と。
 世にある複雑な物事、複雑な事情を、複雑なまま取り入れ、その複雑さに対しての問いかけがそのまま問いかけとして心にある。

 それに対しての劉備は、
 「酒も女も、分かりやすい方に来る」
 が信条。
 「“要は” で答えるな、玄徳」
 と迫る孫権に、
 「要は民だろ」
 と返す。
 「まずァ一等わかり易くぶったぎってやるところから、新たな天下を思い描いてもらうんだよ」
 と。
 つまり、複雑怪奇な物事を、複雑怪奇なまま受け入れるのは良い。
 しかしそれを、「民に分かりやすく示すこと」 が、天下人、為政者の役割だ、という事。

 で、曹操。
 曹操はこの二人とはまた違う民との向き合い方をする。
 曹操は、複雑怪奇な問いを、問いのまま投げかける事で、あらゆる民から様々なものを引き出そうとする。
 その問いかけというのは、例えば徐州における大虐殺であったり、当時の儒の価値観を根底から揺すぶる “求賢令” (儒教の価値観においてダメダメな人間であっても、家柄や地位が低くても、とにかく才能のあるヤツは高く評価して用いる。というか才能のあるヤツはこねーとブっ殺す、というよーな内容) であったり様々。
 この場合の劉備と曹操の違いというのは、劉備は民の思いや願いを受けて、そこにそぐう答えを見せる事で政を行うというのに対して、曹操はまず己の問いかけがあり、それに対する反応を引き出すことで、新しい政の形を生み出してゆこうとすること。

 “今” の感覚で言えば、例えば 「人徳より才能を重視するって、別にフツーじゃネーノ?」 という風にも受け取れるし、とは言え実際に口頭にあがる職種の幾つかにおいて、「品行方正であることが望ましい」 とされるものもある。
 そして劉備のやり方が、国を治める方法として理にかなっていることも分かるけれども、その極端にいる曹操の “問い続ける政” というのも、重要な事なのではないかとも思える。
 わかりにくいことを分かり易く提示するという作業にも、わかりにくいことのわかりにくさをそのまま提示して問いかけるという作業も、どちらにも有用性と弊害があったりなかったり。
 ってなモンではないかしらという感じです。
 まぁ、程度と意識の問題でもありますな。
 何のためにそうするか、とかね。

 因みに僕の処方は、難解なモノの枝葉をまず切って、幹と根を確認してから、自分なりのオモシロい感じに枝葉をつけ直して再構成するっていうヤツです。
 分解して再構築の繰り返し。
 まー、これは政治家には向かないねぇ。
 
 後、『蒼天航路』 の作者、王☆欣太も、椎間板症でかなり苦しんだそうですが、TMS理論という東洋医学の思想を元に考案された療法によって、痛みの症状は一応治まっているとの事。

 そんなお話。


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petrosmiki

三国志モノってファン多いけど
実はまったく読んだ事がないのだぁ。

ただコレだけ沢山固定ファンがいると考えると
昔のマチャアキの西遊記みたいに思い切って
豪華キャストでテレビドラマ化すれば高視聴率
取れると思うのだが。
そんじょそこらのよくあるマンガ原作ドラマより
俺はそっちの方がよっぽど見たい。

TMS理論は俺も聞いた事あるよ。
ちなみに俺の場合、急性の神経痛が
一番効果的に収まったのは鍼治療だった。
by petrosmiki (2005-09-24 16:48) 

へぼや

 多分 『三国志モノ』 って、固定ファンが凄い多い割に、一般受けは余りしないと思うンですよ。
 まず三国ってのが面倒。『項羽と劉邦』 なら、まだ善と悪の戦い的に演出出来るけど、それほど全体構造が単純じゃない。
 そして長い。ドラマにするとしたら、幼少期、青年期、壮年期…と変えなきゃならない。主役として劉備にジャニタレを持ってきても、青年期でしか使えないし。
 んで、何より 「固定ファンが文句ばかり言う」。
 だからまぁ、大がかりでやるドラマよりは、漫画や小説の方がコスト的にも見合うテーマなんじゃないスかねー。
 余談ながら、去年の末に、「『蒼天航路』 年内完結」 と言われた後に、一気に三誌で三国志モノの漫画が始まりました。
 1つは速攻打ち切りになったものの、後の二つは生き延びてはおります。多分一番強いのは、相変わらず我が道を行く 武論尊原作の、『覇-Load-』 でしょーなー。
 死せるラオウ、生けるコウケツを走らす。 (『北斗の拳』 ネタ)
by へぼや (2005-09-25 01:42) 

さっちん

この漫画終わっちゃいましたけど、すげぇ面白かったですね。
by さっちん (2006-01-18 13:38) 

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